科学技術白書。

科学技術白書 中韓の追い上げ急 人材確保の必要性指摘


この白書は読んだことがないが(これから読もうと思う)、NEDO技術開発機構が定期的に発表する各技術分野のロードマップや、文部科学省が出版している「2030年の科学技術」など、容易に入手できる資料だけでも日本が今後目指そうとする方向を知ることは出来る。夢物語の未来世界ではなくて、現実的に調査した上で想定されている近い将来の像が浮かんできて単純に面白い。


ここ数年の中国、韓国の追い上げは改めて政府が示すまでもなく、先端技術に携わっているものなら誰しも感じていることだろう。物理、化学、生物、その他あらゆる基礎分野において、日本は欧米にも負けない研究ができているし、アジアでは間違いなくトップを走っているとは思うのだが、こと応用分野に限ってみると中、韓の実力は無視できないどころか、分野によっては日本がアジアの首位とはいえない状態にある。


日本は、他国と比べても特に際立って多いわけではない研究費を、基礎科学と応用科学にまんべんなく割り振っているが、中・韓は、研究費を情報分野、応用生物、応用化学など、のちに確実にお金になるような分野に集中的に投入しているようだ(具体的に内訳をみたことがあるわけではない)。しかも研究費の伸びは - 総予算の増加率以上にする (韓国) - らしいから、日本がこれらの分野で苦しくなってくるのもうなづける。


こういった中で、日本はどう考えて今後10年科学技術の発展を目指していけばいいか。難しい問いではあるが、俺はより個性を前面に出した研究を目指してはどうか、と思う。もう、全ての分野でアジアチャンピオンになる必要はない。日本ならではの研究で世界の科学技術の発展に貢献できればいい。「競争」が技術発展の引き金になることは否定しないが、別にサッカーじゃないのだから、中・韓を目の敵にして「負けない」研究をする必要はないのだ。


年配の方には、いまだにアジアトップでないと気がすまない人たちが多くて困る。