シックスシグマ。

doubleA2006-01-21

センター試験>各地でリスニングトラブル 383人以上も


大変だ。それにしてもトラブル多すぎ。


生産管理でよく使う用語の一つに「σ(シグマ)」というものがある。シグマとは、いわゆる標準偏差のことで、分布のばらつきを示す。例えば、製品の性能が正規分布に従うとして、平均から±1σ以内には68%が、±2σ以内には95%が、±3σ以内には99.97%が含まれる。
現代の生産管理では、全体の±6σ以内の製品ないしは生産物を完全に把握することを基本としている。これがシックスシグマといわれるもので、逆にいえば、その範囲を外れるものは不良品として返品されたりするわけだけど、その数は100万台出荷したとして、3.4台、というレベル*1


さて、今回のリスニングテストの受験者は492596人。受験者にはひとり一台のICレコーダーが配布されたという。すると、このICレコーダーの予想される故障台数は
・6σで 1.7 台
・5σで 115 台
・4σで 3059 台
となる。
トラブルが全て装置に起因するものならば、この装置は4σ〜5σの基準で生産されたことになる。しかし、ソニーが作っているのか、松下が作っているのか知らないけど、まあ、日本のトップメーカーが生産した製品が、この程度の低い生産管理基準であるはずがないね。
というわけで、この383人のトラブルは装置ではなく、受験生のオペレーションミス、あるいはリスニング試験の実施フローそのものに問題があるのだろう。


あと、やはり虚偽の申請も結構含まれているのではないか。なんせ「聞こえなかった」と申請すれば、同じ問題で再試験できるらしいから。せっぱつまった受験生がついたくらんでもおかしくないと思うので、なんというか、制度が悪いという気もするが。


でもね、カンニングとか、ズルとか、しない方がいいですよ。
やったところで、人生に大差ないって。自分の力でやったほうがいいよ。
結果よりもプロセスが大事なんだから。

*1:統計的には6σの場合100万個あたりの不良品率は0.002個なんだけど、量産品や生産期間における製造機械の劣化などさまざまな条件を考慮して、1.5σ程度のずれを含める。